Learn from Experience & Letter
経験者から学ぶ&交換留学派遣生からの便り

加藤 花倫

アメリカ

自分にしかできない、かけがえのない経験を

加藤 花倫さん

人文学部 人文学科
留学期間:2021年8月 ~ 2022年5月
留学先:オクラホマ州立大学

留学先大学について

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オクラホマ州立大学(OSU)は州の中心部から離れたスティルウォーターという場所にあり、周りは緑に囲まれたとても長閑な場所に位置しています。スティルウォーターには、OSUのキャンパスとその周辺にスーパーやレストランがあるだけで、比較的田舎な地域だと言えます。大学の敷地は、松本キャンパスの10倍以上の広さで非常に大きく、キャンバス内外には大学のバスが走っています。OSUのカラーはオレンジで、キャンパス内の建物や学生たちの着ているシャツはオレンジ一色で、とても明るい雰囲気を放っています。学生や教授はとてもフレンドリーで穏やかな人が多く、そのような人たちに囲まれて落ち着いて過ごすことができます。

大学では140以上の専門分野があり、学問はもちろん、キャリアに直接つながる授業など、非常に幅広い分野の授業が開講されています。授業のレポートを添削してもらえるライティングセンターや、LASSOというチューター制度もあるので、勉強面でのサポートはとても手厚いです。また、OSUの留学課の方達はとても優しく常に気にかけてくれるので、サポート制度も整った信頼できる大学だと感じました。

学習面について

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前期も後期も4つの授業を履修し、50分授業を月水金で行う授業2つ、75分授業を火木で行う授業2つで時間割を組み、毎日2コマずつ授業を受けていました。私の専攻は歴史学なので、アメリカ史や世界史を中心に受講し、他にも興味のあった観光学やアメリカ文化、社会学やスペイン語の授業を履修しました。全ての授業で、クイズやレポートを毎週、中間・期末では重めのテストやレポート、量の多いリーディングなどが課されており、とにかく課題の量が膨大で毎日アップアップでした。自分の思い通りに勉強が進まなくていつも悩んでいましたが、徐々にルーティンに慣れ、やるべきことの中で優先順位をつけることで、自分なりの勉強の仕方を確立させていきました。

前期のmidterm前、遅くまで勉強する日々が続いて風邪をひいてしまい、何も食べられず勉強も手につかない週がありました。その時はとても辛かったのですが、友達に助けてもらい何とか回復して、試験のことも教授に相談して特別な措置を講じてもらうことができました。それからは体調に気をつけながら勉強を頑張るように努めました。

仲の良い友達やクラスメイトに、レポートの添削をお願いしたり、授業でわからないことを質問したりしていました。もちろん教授のオフィスに足を運んで質問し、課題のアドバイスをもらうことも多々ありました。また、ライティングセンターという、レポートを先生に添削してもらえる場所があり、よくその場所を利用していました。助けてくれる人はみんな親切で、「何でも言ってね」というスタンスだったので、小さなことから気軽に聞くことができる環境で勉強できたことが非常によかったと感じています。また、信大にはない、自分が本当に勉強したいトピックを学ぶことができて、授業や課題を心の底から楽しんでできたと実感しています。

生活について

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Iba hall という古い学生寮に住んでいました。アメリカ人のルームメイトと2人部屋で、地下には共同のキッチンや洗濯機がありました。同じ留学プログラムに属する他国の留学生全員と現地の学生もIba Hallに住んでいるので、常に誰かと一緒にいるという感覚でした。多国籍な寮なので、深夜の騒音に悩まされたり共有スペースが汚かったり、トラブルなどもたまにありますが、それも寮生活の醍醐味のようなものでした。

大学構内にコンビニやダイニングが複数ありましたが、値段が高いため軽食を買う時に利用するだけで、毎週末友達に車でウォルマートやアジアンマーケットに連れて行ってもらい、なるべく自分で食事を作っていました。週末は図書館や寮で過ごしたり、友達とレストランやショッピングに行ったりしていました。長期休みには飛行機に乗ってカリフォルニアやワシントンD.C.やフロリダに旅行へ行くなど、たくさんの場所を訪れることもできました。

アメリカの学生や教授はコロナに対して警戒している様子は全くなく、ほとんどマスクをつける機会はありませんでした。クラスの中で陽性者が出てもオンラインに移行することはなく、大規模なイベントもたくさん行われていたので、コロナで制限されたことはなかったことが利点でした。風邪をひいた時や予防接種を受ける時は、大学にあるヘルスセンターに無料で受診できたので、健康面で特に困ったことはありませんでした。

留学で得たこと

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大きく3つのことを得ました。1つ目は、色々なことに挑戦する勇気です。私は勉強以外にも、キリスト教の聖書の勉強会に毎週参加したり、OSUのオーケストラに入りコンサートに出演したり、友達とグループを組んでイベントでダンスを披露したりと、様々な場所に飛び込んでみました。始める前は、自分にできるか勉強と両立できるか不安でしたが、「やってみたい!」という好奇心を大事に挑戦してみました。とても貴重な経験ができましたし、たくさんの出会いや感動がありました。このような経験が、小さなことも大きなことも、物怖じせず挑戦するマインドを持つことにつながったと実感しています。

2つ目は、ダイバーシティを理解することです。先に述べた聖書の勉強会では、多種多様な国籍の人たちと交流することができ、それぞれの考え方や価値観、アイデンティティを知りました。逆に、自分は日本人として客観的にどのような位置付けなのか知ることもできました。また人種•民族、宗教の多様性についての授業で、現地の学生とダイバーシティが将来どんな影響を与えるか議論する機会があり、興味深くも厳しい現実を知りました。日本では感じることのなかったダイバーシティを肌で感じ、学問として学んだことで、多様性を理解し尊重する人物でいようと強く思いました。

3つ目に、自分の意見をしっかりと相手に伝えるスキルを得られました。もともと自分の意見をはっきり言えないことが課題だと感じていたので、留学先では授業や日常生活で積極的に自分の考えを伝えるように心がけていました。様々なことを乗り越えたことで自信もつき、堂々と振る舞えるようになりました。ずっと変えていきたいと思っていた部分だったので、留学を通して少しでも成長できたことが嬉しいです。

後輩へのアドバイス、信州大学へのメッセージ等

コロナ禍での派遣ということで不安が大きく、「留学をやめようか、1年後に持ち越そうか」とたくさん悩みました。それでも、大学の方や両親に支えられ応援されて決心することができ、あの時決断してよかったと何度も思うほど充実した留学生活を送ることができました。もし1年先延ばしにしていたら出会えなかった人、経験できなかった事がたくさんありました。みなさんも、留学したいけど不安だな、自信がないなと感じることがあると思います。しかし、そこを乗り越えれば素晴らしい世界、出会いや学びが待っています。少しでも留学したいという気持ちがあれば、その気持ちを大事に、自分を信じて挑戦してほしいと強く思います。

最後になりますが、知の森基金の支援金をいただけてとても実りのある留学生活を送ることができ、信大の教授や職員の方々に支えられて無事に終えることができて、感謝の気持ちで一杯です。本当にありがとうございました。